これはまだリアルコケがただのコケだったころの話
都内某所

「周りの友達もみんな就職してしまった」

「東京で夢を叶えてやろうと人間の姿で来たけど・・・」

「・・・」
「就職・・・しようかな・・・」

「よし!やってやる!コケにだって就職できるところ見せてやる!」
~10分後~

「さて、履歴書というものを買ってきたが」
「何を書けばいいのか全然分からん!」
「まぁ素直に書けばいいよね」
現住所
「現住所・・・?大自然と」
学歴
「生まれてからずっとコケの妖精と」
趣味・特技
「コケになることができます」
志望動機
「志望動機?それは決まってる・・・!」
~そして面接へ~

(何かすごいのが面接に来たな・・・)
(何かすごいのが来たと思ってるんだろうな)
(適当に質問しとくか・・・)
「では志望動機は何ですか?」
(やはりこの質問が来たか・・・!!)
(だがここは正直に自分の気持ちを答える・・・!!)

「コケを通して自然の大切さを伝えたいんです!」
(・・・すごいこと言い出した)
(だが・・・!!)
(その信念と情熱!!確かに受け取った!!)
(こいつには、やると言ったらやる………『スゴ味』があるッ!)

「採用!!」

「これからよろしく!」
「はい!よろしくお願いします!」
「君には明日から原宿に毎日出没してもらう!」
「え・・・毎日ですか?」
「うん、毎日」
「・・・」
「・・・が、頑張ります」
~そしてリアルコケは原宿に出没し始めたのであった~

「皆さんコケにちは!リアルコケです!」
「現在僕は原宿の竹下通りを中心にほぼ週に1回出没中です!」
「見かけたら是非話しかけてくださいね!」